外来種とは?
外来種のいろいろな呼(よ)び方
外来種には、以下のように他の呼び方もあります。
●移入種(いにゅうしゅ)・移入生物:外国や他の地域(ちいき)から持ちこまれた・入ってきたというニュアンスです。
●侵入(しんにゅう)種・侵入生物:生態系(せいたいけい)に侵略的(しんりゃくてき)な影響(えいきょう)を与(あた)えるというニュアンスです。
●帰化生物(帰化植物など):すでに定着してしまった場合などに用いられます。
いずれにしても「人間によって本来とは異(こと)なる地域に分布する生き物」いう意味で共通しています。
札幌の外来種について
北海道に導入された外来種や、注意すべき種をまとめた「北海道の外来種リスト(北海道ブルーリスト)」があります。札幌市でも、数多くの外来種が確認(かくにん)されています。
■ 札幌市の外来種について、詳(くわ)しくは札幌市のホームページをご覧ください。
札幌市のHP 「外来種にご注意を!」へ
札幌市内では、計432種類、植物を除くと36種類が「北海道ブルーリスト(2010)に掲載(けいさい)されています
※上記の種数については、北海道ブルーリスト2010を参考にしています。
外来種が持ちこまれる経緯(けいい)
ひとくちに外来種といっても、外来種が持ちこまれる経緯にはさまざまな背景があり、大きく分けて「意図的導入(いとてきどうにゅう)」と「非意図的導入(ひいとてきどうにゅう)」があります。
意図的導入(いとてきどうにゅう)
農作物や果樹(かじゅ)、家畜(かちく)、ペット、観賞用(かんしょうよう)の植物など、人間にとって価値(かち)があると考えられる生き物は、積極的に利用されてきました。生き物を利用するためにわざと導入することを、「意図的導入」といいます。
意図的に導入された生き物たちの中でも、逃(に)げ出してしまったり、人間が捨(す)ててしまったりして、野外に定着してしまえば外来種になってしまいます。
動物園や水族館で飼育(しいく)されている生き物たち、畑の野菜、水田の稲(いね)を“外来種”とは呼びません。導入された生き物も、人間がきちんと管理すれば、外来種にならずにすむのです。
非意図的導入(ひいとてきどうにゅう)
わたしたち人間はいろいろな乗り物を利用して、山を越(こ)え、海を越(こ)え、県境(けんざかい)や国境(こっきょう)も越(こ)えて、さまざまな場所に行くことができます。
しかし、このように人間の移動がさかんになったことによって、無意識(むいしき)のうちに生き物を移動されていることがあるのです。これを「非意図的導入」といいます。
例えば、貨物に紛(まぎ)れこんでしまうアリ、引っ越(こ)しの荷物に紛れここんでしまうクモ、野菜の苗(なえ)に入りこんでしまうカエルなど、実はたくさんの生き物が意図せず導入されています。このような生き物たちは、人間が気をつけていないと、ただちに外来種になってしまいます。
どこから来たの?外来種!
(1)海外から持ちこまれた外来種
日本は島国であり、たくさんの物を輸入(ゆにゅう)にたよって生活しています。現在、札幌市内で外来種と呼ばれる多くの生き物は、海外から日本に持ちこまれた外来種です。このような外来種は「国外由来の外来種」、「国外外来種」とも呼ばれています。
例えば、アメリカ合衆国から輸入され、導入されたアライグマやアカミミガメ、アメリカザリガニなどは国外外来種となります。
(2)本州から持ちこまれた外来種
島国である日本では、それぞれの島を隔(へだ)てる海や険(けわ)しい山などが生き物の分布の境界線となっており、独自(どくじ)の環境を作り出しています。そのため、本州や四国、九州など、日本の他の地域からやって来た生き物も、北海道や札幌市では外来種となってしまうのです。このような外来種は「国内由来の外来種」、「国内外来種」とも呼ばれています。
例えば、本州から持ちこまれたフナ、アズマヒキガエル、カブトムシなどは、国内外来種となります。
外来種といえば、海外から持ちこまれた生き物だけを思いうかべる人が多いかもしれませんが、実は日本国内での持ちこみでも外来種になってしまうということに注意が必要です。
私たちにできること
つかまえても、もとの場所に返してあげよう!
生き物は、つかまえても観察するだけ!持って帰ったり、別の場所にうつしたりせずに、もとの場所に返してあげましょう。
守ろう!外来種予防(よぼう)3原則(げんそく)!
一度定着した外来種を取りのぞくことのは、多くのお金と時間、労力が必要となり、たいへん難(むずか)しいです。外来種による被害(ひがい)を、前もって防ぐためには、私たち一人ひとりが「入れない・捨(す)てない・拡(ひろ)げない」という外来種被害予防の三原則を守り、むやみに生き物を持ちこんだり、野外に放したりしないこと、そしてすでに生息・生育している外来種は今以上に拡げないことが大切です。
ほんとうに飼える?さいごまでお世話できる?
ペットを飼(か)うときは、事前にどれくらいの寿命(じゅみょう)があり、どれくらいの大きさになるか、どう猛(もう)にならないかなどを調べて、最後まで飼えるかよく考えてください。そして、飼い始めたら、必ず最後まで責任(せきにん)をもって飼ってください。
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