希少種と外来種

注目トピック:外来カエル


トノサマガエル

北海道には、何種類のカエルが生息しているか知っていますか?現在(げんざい)、北海道に生息するカエルは7種類です。しかし、もともと北海道に生息している在来種(ざいらいしゅ)は、ニホンアマガエルとエゾアカガエルの2種類のみ。残りの5種類は、海外や本州からの外来種なのです。

その5種類の外来カエルとは、トノサマガエル、アズマヒキガエル、トウキョウダルマガエル、ツチガエル、ウシガエルで、このうち札幌では、トノサマガエル・アズマヒキガエル・ツチガエルの3種が確認されています。

この「注目トピックス:外来カエル」のページでは、まず始めに在来の2種について紹介(しょうかい)し、続いて札幌市内でも分布の広がりが心配されている外来カエルについて取り上げていきます。
外来カエルと在来カエル

札幌(北海道)の在来種 ~エゾアカガエルとニホンアマガエル~

もともと札幌にいるのはこの2種類!
まずはエゾアカガエルとニホンアマガエルについて、生息環境や一年の生活を紹介します。

エゾアカガエル

エゾアカガエル
■春は、湿地やため池に
エゾアカガエルは、雪どけとともに卵を産みはじめるので、北海道に春を告(つ)げるカエルとして知られています。シャラシャラという感じのきれいな声で鳴きます。4月ごろから5月ごろまでは、札幌市内でも、ため池などの流れのない止水で、オスの鳴き声が聞こえたり、オスとメスのペアが観察できます。

■春がすぎると、森にかえる
春の繁殖(はんしょく)シーズンがすぎると、エゾアカガエルの親ガエルたちは森や林へともどっていきます。森の中でときどき見かけますが、見つけにくくなります。11月ごろに冬眠(とうみん)に入るまでは、森林の地面などで行動し、昆虫などを食べてすごします。

ニホンアマガエル

ニホンアマガエル
■夏は、田んぼに
ニホンアマガエルは、札幌市内でも5月ごろから8月ごろまで長期間観察できます。ため池、川のそば、田んぼなどでは、たくさんのオスの鳴き声が聞こえてきます。繁殖期以外でも、雨がふるときに鳴き出すのは、このニホンアマガエルです。

■葉っぱや木の上によくいる
ニホンアマガエルの足の指には、とてもよくひっつく吸盤(きゅうばん)があり、壁(かべ)づたいに登っていくのが得意(とくい)です。そのためニホンアマガエルは葉っぱや木の上にいることが多く、いつも地面にいるエゾアカガエルなど他のカエルとの大きな違(ちが)いです。


札幌の外来種 ~アズマヒキガエル・トノサマガエル・ツチガエル~

北海道で見つかっている5種類の外来カエルのうち、札幌市内ではアズマヒキガエル、トノサマガエル、ツチガエルの3種類が確認されています。

アズマヒキガエル

アズマヒキガエル

・ヒキガエル科
・1912年に北海道で初めて報告
・指定外来種(北海道)

■北海道では「外来種」
アズマヒキガエルは、本州の東日本に広く分布するヒキガエル科のカエルです。そのため、本州などでは「在来種」にあたります。しかし北海道では、いわゆる「国内外来種」として要注意です。

■アズマヒキガエルは夜行性
アズマヒキガエルは、5月ごろの短い期間に、ため池などで1カ所にたくさんの個体(こたい)が集まって卵を産みます。こうした産卵(さんらん)行動の様子は「蛙合戦(かえるがっせん)」と呼(よ)ばれています。
繁殖時期以外は、主に森の中や、林のそばの畑などに生息し、夜に活動します。夜行性(やこうせい)のため観察は難(むずか)しいですが、餌となる昆虫を探(さが)して道路に出てくることもあります。


■どうして北海道に来たの?
北海道では、1912年に初めて道南地域で見つかりました。持ちこまれた背景(はいけい)はよく分かっていませんが、興味(きょうみ)本位や実験材料として導入されたと考えられています。
札幌市内でも最近、多くのアズマヒキガエルが住宅地の周辺で見つかっていますが、なぜ都市部でも見つかるようになってきたのかも、まだ明らかになっていません。

■アズマヒキガエルによる影響とは?
アズマヒキガエルは、アリやオサムシなど、たくさんの地表性(地面を歩きまわるタイプ)の昆虫類をつかまえて食べるため、その影響が心配されています。そこで、北海道では条例(じょうれい)によって「指定外来種」に指定し、野外に放(はな)すことを禁止しています。

■しっかり見分けよう!アズマヒキガエル(外来種)とエゾアカガエル(在来種)
どちらも繁殖の時期が早く、色も似(に)ていることから、ときどき間違(まちが)われることがあります。2種の違(ちが)いをしっかりおさえておきましょう。
カエルの見分け
カエルの見分け

■毒(どく)に注意!
アズマヒキガエルは、目の後ろのコブの穴(あな)から毒となる乳白色(にゅうはくしょく)の液体(えきたい)を出すことがあります。アズマヒキガエルにさわった場合は、よく手を洗(あら)い、指で顔などにふれないよう注意してください。

トノサマガエル

トノサマガエル

・アカガエル科
・1993年に北海道で初めて確認
・指定外来種(北海道)

■本州では「希少種」
トノサマガエルも、北海道では「国内外来種」にあたります。一方、本州、四国、九州の平野部では、在来種としてもともと分布しています。近年は水田の減少(げんしょう)などにより個体数(こたいすう)が減(へ)っており、多くの地域で「希少種」として、保護(ほご)活動などが行われています。本州と北海道でトノサマガエルに対する取り組みが違いますので、注意が必要です。

■どうして北海道に来たの?
トノサマガエルは、北海道では1993年に初めて見つかりました。背景として、学校で使う教材として使うために導入されたという説があります。
水田や河川敷(かせんじき)などを好み、札幌市内でも公園の池や人工の湿地などでトノサマガエルが確認されています。

■トノサマガエルによる影響は?
トノサマガエルは、たくさんの昆虫類を生きたままつかまえて食べます。もともとトノサマガエルに対する防衛(ぼうえい)手段を持たない在来の昆虫類への影響が心配されています。
札幌市内での調査では、希少種のゲンゴロウの幼虫などを食べていることがわかっています。
そこで、北海道では条例によって指定外来種に指定し、トノサマガエルを野外に放すことを禁止しています。

ゲンゴロウの幼虫 コオイムシ
トノサマガエルの胃内容物(いないようぶつ:胃の中に入っていたもの)から見つかったゲンゴロウの幼虫(左)とオオコオイムシ(画像提供:更科美帆)

■ ゲンゴロウは、”ピックアップ!札幌の希少種”のページで紹介しています。
 ゲンゴロウの紹介へ

ツチガエル

ツチガエル

・アカガエル科
・1989年に北海道で初めて報告

■ツチガエルも国内外来種
ツチガエルは、本州、四国、九州および周辺の島に広く分布するアカガエル科のカエルです。それらの地域では在来種ですが、北海道では外来種です。

■どうして北海道に来たの?
北海道では1989年に初めて報告されましたが、1977年より前に持ちこまれていたと考えられています。導入された背景として、本州産のコイのいけすに紛(まぎ)れこんだたといわれています。
札幌市内では、ため池や川の周辺などで、見つかっています。

■ツチガエルによる影響は?
ツチガエルは、アズマヒキガエルと同様にアリやオサムシなどたくさんの地表性の昆虫類をつかまえて食べてしまうため、その影響が心配されています。

ツチガエル ツチガエル
ツチガエル(左右とも)

希少種とは?



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