希少種と外来種

ピックアップ!札幌の希少種


「エゾサンショウウオ」と「オオコオイムシ」を追加しました!(2020.10.20)

札幌の希少種をいくつかピックアップしました

絶滅(ぜつめつ)が心配される生き物をどうしたら残していけるのか、野生の生き物とどう共生していくかを考えるため、それぞれの生き物が置かれている状況(じょうきょう)を知り、減(へ)ってしまう理由などを考えることが大切です。
このサイトでは、札幌にどのような希少種・絶滅危惧種がいるか、いくつか選んで紹介していきます。

【準絶滅危惧】 エゾサンショウウオ (両生類)

エゾサンショウウオは、有尾目(ゆうびもく)サンショウウオ科の動物です。名前に「エゾ」とつくように、北海道だけに生息する固有種です。
体の表面は、黒くてすべすべツルツルした感触(かんしょく)です。おもに平地から山地にかけての沼(ぬま)や沢(さわ)に生息します。春先に、池や水たまり、流れの緩(ゆる)やかな沢などで、ゼリー状の卵を産みます。幼生(オタマジャクシ)のうちは、水生生物や、カエルの幼生(オタマジャクシ)などを食べて育ちます。大人になると、おもに昆虫を食べます。
北海道全域に広く分布し、札幌市の周辺では、山林のある公園の池などでも見られます。しかし、開発にともなう水質(すいしつ)の悪化などの影響(えいきょう)によって生息地が減り、数が減少しているようです。北海道レッドデータブックでは留意種、札幌市版レッドリスト2016では準絶滅危惧に指定されています。

この動画は、根室市歴史と自然の資料館の外山雅大さんに提供(ていきょう)していただきました。森の中の小さな池(水たまり)にカメラを入れて撮影したそうです。ユラユラと泳いでいるのは、産卵(さんらん)のために集まっている成体(大人の個体)です。体が白っぽく見えるのは、背景色によって色が変わるためだと思われます。また動画内には、ゼリー状の白い膜(まく)に包まれた卵もうつっているので、ぜひ探してみてください。


【準絶滅危惧】 オオコオイムシ (昆虫類)

オオコオイムシは、カメムシ目コオイムシ科の水生昆虫です。植物が茂(しげ)った池や沼の水面付近に生息します。メスがオスの背中の上に卵を産み、オスは卵を背中におぶって世話をすることから、「コオイムシ」の名がつきました。
体は平たく、大きな前足で貝や小魚、他の小動物などをつかまえて、細い口をさして、体液(たいえき)を吸います。
北海道や本州に広く分布(ぶんぷ)しますが、水質汚染(すいしつおせん)などによって、生息地が減少(げんしょう)しました。札幌市周辺では、植物が生えている公園の池などで、見られる場所もあります。
北海道レッドデータブックでは希少種、札幌市版レッドリスト2016では準絶滅危惧に指定されています。

背中に卵を背負っているオスのオオコオイムシの動画です。


コオイムシ
この写真は、トノサマガエルの胃の中から発見されたオオコオイムシです。北海道のオオコオイムシは、外来種のトノサマガエルによる捕食(ほしょく)の影響も危惧(きぐ)されています。(画像・情報提供:更科美帆氏)


■トノサマガエルは、”注目トピック:外来カエル”のページで紹介しています。   トノサマガエルの紹介へ


【絶滅危惧ⅠB類】 ゲンゴロウ (昆虫類)

ゲンゴロウは、コウチュウ目ゲンゴロウ科の水生昆虫です。黒、または緑色の体に、黄色いラインがあります。水中での生活に適(てき)した、水かきのような大きな後ろ足が特徴的(とくちょうてき)です。水生植物が多い池や沼(ぬま)、水田などに生息します。雑食性(ざっしょくせい)で、他の小動物などを食べます。泳ぎが得意(とくい)なゲンゴロウが、成虫になるとよく飛び回るということは、あまり知られていないかもしれません。
全国に広く分布(ぶんぷ)しますが、開発や水の汚染(おせん)などの影響(えいきょう)で、生息地が減り、個体数(こたいすう)も減少(げんしょう)しました。環境省のレッドリスト2020では絶滅危惧Ⅱ類、北海道レッドデータブックでは希少種、札幌市版レッドリスト2016では絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
札幌市の周辺では、植物のある池などで見られ、ときどき夜の街灯に飛んでくることがあるようです。


ゲンゴロウも、オオコオイムシと同様に、トノサマガエルに食べられることによる影響が心配されています。
■ トノサマガエルは、”注目トピック:外来カエル”のページで紹介しています。
  トノサマガエルの紹介へ


【絶滅危惧ⅠB類】 ウスバシロチョウ (昆虫類)

ウスバシロチョウは、チョウ目アゲハチョウ科の動物です。名前に「シロチョウ」とつきますが、アゲハチョウの仲間です。白っぽい半透明(はんとうめい)のはねを持っています。林の周辺や畑などで、いろいろな種類の花のみつを吸って生活しています。札幌市版レッドリスト2016では、絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
ごく一部の地域(ちいき)をのぞいて、近縁(きんえん)のヒメウスバシロチョウと、このウスバシロチョウは分布(ぶんぷ)をすみ分けています。ヒメウスバシロチョウの生息範囲(はんい)が圧倒的(あっとうてき)に広く、一方のウスバシロチョウは元々狭(せま)いようです。渡島(おしま)半島のほか、胆振(いぶり)、日高、十勝平野、根釧(こんせん)原野などに分布し、渡島半島以外の日本海側では、札幌、厚田、浜益などで記録がありますが、近年はいずれの場所でもほぼ見られなくなっているようです。
札幌では、もともと分布が限られていて個体数も少なかったのが、近年さらに少なくなっていると考えられています。【解説協力:安細元啓さん((株)野生生物総合研究所)】


【絶滅危惧ⅠA類】 クロテン (哺乳類)

クロテン(またはエゾクロテン)は、ネコ目イタチ科の動物です。名前に「クロ」とついていますが、見た目はそれほど黒くはなく、こげ茶色の個体(こたい)や黄色い個体もいます。涼(すず)しい地域(ちいき)の森林に生息し、雑食性(ざっしょくせい)で、げっ歯類(ネズミのなかま)や昆虫、両生・は虫類(カエル類・ヘビ類)、甲殻(こうかく)類、果実、まれに魚などを食べます。
かつては北海道中に広く分布していたと考えられていますが、毛皮を目的とした乱獲(らんかく)などの影響により、絶滅寸前まで減少しました。また、外来種のテン(ニホンテン)が定着し、分布を拡大させたことにより、道南地域から石狩低地帯(いしかりていちたい)の間ではほぼ絶滅したといわれています。
環境省のレッドリスト2020では準絶滅危惧、札幌市版レッドリスト2016では、絶滅危惧ⅠA類に指定されています。 石狩低地帯が、ちょうど希少種クロテンと外来種テンの分布の境目(さかいめ)になっています。札幌市内でも、定山渓(じょうざんけい)などの南西部ではすでにテンが分布を占めているようです。札幌市内でクロテンに出会える機会はそう多くはないかもしれません。

クロテン クロテン
(左)釧路市動物園の飼育個体、(右)自動撮影カメラに写ったクロテン(石狩市浜益)

■ テン(ニホンテン)は、”ピックアップ!札幌の外来種”のページで紹介しています。
  テンの紹介へ



【絶滅危惧Ⅱ類】 クマゲラ (鳥類)

クマゲラは、真っ黒な大きな体と赤い頭、黄色いくちばしが特徴的(とくちょうてき)なキツツキです。北海道では針葉樹(しんようじゅ)と広葉樹(こうようじゅ)の交じった広い森に生息します。雑食性で、木に穴(あな)をあけて、幼虫類やアリ、果実などを食べます。
北海道全域に広く分布し、北海道レッドデータブックでは絶滅危急種、札幌市版レッドリスト2016では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。また、クマゲラは日本の天然記念物に指定されています。
森の中でもよく通る大きな声を出しながら飛ぶので、札幌市周辺でも、山や公園の森林などで見つけることができるかもしれません。




ニホンザリガニ 【絶滅危惧Ⅱ類】

ニホンザリガニは、十脚目(じゅっきゃくもく)アメリカザリガニ科の動物です。体長4~6cmと小さく、ずんぐりとした体形のザリガニです。広葉樹(こうようじゅ)の林の冷たくてきれいな水のある川や、湧(わ)き水のある場所に生息し、水の中の落ち葉や木の下を利用しています。雑食性ですが、主に落ち葉などを食べて生活しています。
北海道全域に広く分布していましたが、開発や水の汚(よご)れなどにより生息地が減り、数が減少しました。また、野生の個体が大量に採取(さいしゅ)され、ペットとして売られてきたことも問題だと考えられています。
環境省のレッドリスト2020、札幌市版レッドリスト2016ともに絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。札幌市の周辺でも、山あいの小さな川などに生息しています。




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